#2 「推し」にまつわる①
しょっぱなから余談だが、「渚にまつわるエトセトラ」ってタイトルだけで言えば一番好きかもしれない。タイトルだけ知ってて、いざ曲を聴いた時の衝撃は今でも忘れられない。
二回目からいきなり漫画と直接には関係しない話題について考えてみようと思う。というのも、直近で出したESの自由課題が「自分の「推し」について自由に表現してください」的なものだったのだ。なんというか、その「推し」があることの自明性に違和感を持った。
最初その課題には太いサインペンで推し文化批判を書き連ねようと思ったのだが、その方向性で突っ走れるほどの「才」が果たして俺にあるのか......?と日和ってしまい、無難に済ませてしまったのが心残りだったのでここに吐き出してみようと思った次第である。
正味なところ今もあまり意見はまとまっていないのだが、「推し」の文化にはある種の「ズルさ」を感じ取ってしまうから嫌いなのだ。
そのズルさには大きく分けると二つある。一つは本質的に受動的な消費者が「推し」行為を通じて主体性を獲得しようとする試みの欺瞞性、あるいはその欲望も結局市場メカニズムに回収されてしまっていることである。
なにも調べずにフィーリングで書くが(よくないね)、推し文化のこのズルさが本質的だと感じるのは、この文化がアイドル産業から生まれたものであるように思われるからだ。
wikiくらい見るか...(以下引用)
元々は、アイドルグループの中で最も好感を持っている人物である推しメン(おしメン)を由来とする言葉である[2]。「推しメン」という言葉は、1980年代のアイドルブームの際に登場し、その後、2000年ごろになると2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)でモーニング娘。のファンによって使われるようになった[3]。その後、AKB48の台頭によって広まり[4][5]、2011年にユーキャンの新語・流行語大賞にノミネート(No.09)された[6]
はえ~80年代からあったんすね。勝手にAKBからだと思ってたな~。出典不明だが。
オタクが経済回してる、みたいな言説もこういうところから出てきたんだろうな~。
この説明を見ているとやはり推し文化は、「推し」ている人々の意思は別としてずーっと市場と関わりながら育まれたものであることがわかる。
なぜこのような文化が生まれたのかについて考えてみると、一つにはポストモダン的状況の進行(=「大きな物語」の崩壊)があるだろう。商品の価値も人生の意味も無化されてしまった現代。消費者でしかありえない人々は生存のために(本質的に価値相対的な)商品の決断的な選択を迫られるわけである。そして人は無意味である事の中に意味を見出さずにはいられないので、その選択の連なりを事後的に個々に物語化するのである。そして各人の物語は相対的であるがゆえに数のゲームに回収されざるをえない。
AKB総選挙をイメージすると分かりやすいのではないだろうか。要は俺のムカつきのポイントはCDを一杯買わすな、ということと、一杯買わされてることくらい気づけや、ということだ。
ここまでの内容はAKB批判としていくらでも(もっとしっかり)言われてそうな気がするが、もう一つのズルさはむしろ推し文化が日常に浸透したことで露わになったものだろう。
それは、「推し」行為はその対象を商品化して、劣位におこうとする運動ではないかということだ!!
ちょっと疲れたので続きは明日書く。非常に眠いので。
今日の二冊
ノルマとして積読の内から毎日二冊以上読むことにしたのでその感想をバ。
神様お願い
短編集。
子供時代最悪でしたみたいな漫画は数あれど、安易な救いによって作者自身を慰めるような結末や、文学に昇華されずに呪いとしてしか機能していない作品が多いジャンルであるように思う。そんな中で本作はおそらく自身の経験に由来する物語づくりをしながらも、そこから感情的に一定の距離を保ちながら、さりとて熱量も失わずに、美しさと汚さをしっかりと描いているように感じた。こどものイノセントな悪意を悪魔化せずに描いていて良かったなあと思った。いじめが題材になってたりするとよくあるのだ。画面の密度が高い割に読みやすいのはコマが大きいからなのかな。前四話は割合どよーんとする話だったが、最後の「ファーストアルバム」は希望のある結末だったのも良かった。作品内でかく汗の量って作品の面白さと相関しているかもしれないと思った。あと何といっても女体がエロい!!!俺にはこんな性欲がないので憧れちゃうね。
どの話もよかったが強いて一番を挙げるなら「神様お願い」
福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ
正月のブックオフで見つけた一番のあたり。30分くらいで読めるだろと思ったら、一本ごとにコメントが掲載されてて1時間半かかった。今日の更新が遅くなった原因である。しかしこれも福満先生のサービス精神の成せる業である。ありがたやありがたや。
『小規模な育児』も勿論面白いんだけど、やっぱりこの四コマの中にギチギチに文字と絵を詰め込んである画面の迫力ったらないね。
内容もホントにこれファミ通に載ってたの⁉って感じで思った以上にまんまだった。最高すぎる。にしても改めてエピソードの圧縮力とか、思考の言語化力の高さを痛感したし、密度に対する読みやすさがすごい。
この人の性欲も尊敬に値する。
休み時間中の手洗いでの時間つぶしが『神様お願い』と共通しててウケた。メジャーな方法なんだな。
毎日書くんだから2000字くらいに収めたいな...継続に意味がありそうだから。